第四回:「一枚の古着が、社会を変える」 アンシュ・グプタ(インド/2004年フェロー選出)

アンシュ・グプタ(GOONJ/インド/2004年フェロー選出)

インドの総人口10億人のうち35%の人々は、今も絶対貧困線以下の生活を強いられています。貧困層は、日々の食料や衣服、薬、教科書等の入手にも困窮し、とりわけ地方の農民には、たった一枚の衣服を購入するために、なけなしの貯蓄を使い果たし、日々の食料購入のために高利貸しに借金をする人もいます。一方で都市の富裕層は経済発展の恩恵を享受し、何不自由なく暮らす、という富裕層と貧困層が隣り合った超格差社会がインドの現実です。

アンシュ・グプタはこうしたインド固有の貧困問題に取り組むため、1998年に非営利組織GOONJを創設しました。生活に必要不可欠な衣服は、貧困層には高価だが、古着という形で寄付を求めやすいという特性があります。GOONJはこの点に注目し、継続的な衣類の寄付を行う仕組みを構築しました。古着の寄付は、先進国でも一般的な社会貢献活動ですが、GOONJでは、効率的な物流管理、教育活動との連携、テーマを設定した戦略的な物品寄付の収集、現代的なマネジメント体制により経済格差の解消と社会的資源の再分配を目指しています。

当初はグプタの個人的な活動から始まったこの取り組みは、現在では、GOONJが中心となり、インド14州の100団体以上のCSO(市民セクター)、企業、協力団体等をネットワークし、月あたり10トンもの物品寄付を回収・分配し、多くの農村貧困層の生活向上につなげています。

また、GOONJでは、こうした現物寄付の収集・分配の経験を活かし、災害時の緊急援助対応システムの構築を進めているほか、学校間の寄付プログラムを設置。裕福な都市部の学校から、文房具やカバン、制服が不足する農村部の貧困地域の学校へ、年度末に物品寄付を行う仕組みも立ち上げています。GOONJでは、ネットワークの拡充によって現在の3倍の回収と、10都市での新たな活動開始を計画。さらには他の団体がGOONJのモデルを模倣することを促進し、事業モデルの提供や事業立ち上げのアドバイス等を行なうことでその活動の幅を広げています。

公式HP : http://goonj.org/

 

2013年3月11日(月)18:30〜21:00(18:00開場) 日本財団ビル2F大会議室
参加費:無料

 

準備中