林賢司 Kenji Hayashi(2017年選出Ashoka Fellow)新たなフェロー誕生です

ASHOKAは、初期段階から成熟した段階まで、様々なレベルの社会イノヴェーターを ASHOKA Fellow(アショカ・フェロー)として認証し、それぞれの取り組む変革が加速するように、必要な支援を提供しています。 今回新たに、フェローとして日本から選出された31歳の林賢司は、大きなポテンシャルを秘める初期段階のイノヴェーターとして選出されました。

出生率が減り、若者の都市への流出が加速する地方の弱体化が急速に進んでいます。現在896ある日本の町村のうち約50%が2040年までに消滅するという調査結果が出ています。一方、「良い(とされる)学校」で学び、「良い(とされる)就職先」を見つけることがエリートの究極の目標であるという信仰が、特にここ5、6年ほど揺らぐ兆候が其処彼処で見られるようになりました。

林の共同創設したFoundingBaseは、この問題に取り組んでいます。
FoundingBase(ファウンディングベース)は、「様々なイノベーションが生まれる土台」という意味です。

林は、大学生の頃、豊かな歴史を持つ福島県会津若松に魅せられ、彼なりに町の経済の活性化の 取り組みを始めました。この経験を通して地方自治体との協働の難しさを学び、次に人口7500人の津和野町の活性をいかにできるかの模索を始め、現在に至っています。
19歳から始めた現場での試行錯誤の体験から習得した様々な学びがFoundingBaseの取り組みの出発点となっています。

FoundingBaseは、マインドセットの転換を示唆しています。

まずエリートの生きる途の転換です。 過疎地活性のプレーヤーを東京のトップレベルの大学からリクルートするというやり方は、アメリカのTeach for America*からヒントを得ました。2012年の初回リクルートでは、全く未知の小さな団体に、大学を2年間休学して加わり津和野に入ると手を挙げた慶應やICUの大学生が10人近くになりました。 この予期しなかった嬉しい結果に心から驚いたと言います。それから5年の間に、需要を上回る数の学生や若い社会人が志望して来るようになりました。2017年の求人倍率は7倍にまでなっています。優秀で覚悟のある若者が、町と町の高校の刷新を実現しています。単なる通常のコミュニティーボランティアとは一線を引き、彼らの中の5人が、津和野にベースを置くビジネスの起業に向けて一歩を踏み出しています。 町の自治体や住民も彼らを受け入れ、「パートナー」となって腕を組んでリスクも成功も分かち合うというカルチャーがFoundingBaseの作り出すカルチャーです。やる気に満ちた若者にとっては、通常の企業や役所での仕事とは違うクリエイティブな能力を発揮する絶好の機会でもあります。
キャリアパスの破壊的イノベーションが津和野から始まっています。

*Teach for America ティーチフォーアメリカ
1991年米ニューヨークで発足した非営利組織。
創設者のWendy Koppは、2008年選出Ashoka Fellow。
著名大学の成績優秀者を短期間で育成しアメリカの貧困地区の小学校に教師として送り込むシステム。 真の意味のリーダー育成と巨大な教育格差というアメリカの差し迫った歪みに応える画期的取り組み として注目を浴びています。
www.teachforamerica.org


写真は活動の様子(島根県津和野町)