社会刷新に携わる将来のリーダーを輩出する 大学のネットワーク

第五回ASHOKA U EXCHANGE in Boston アショカ・ユー・エクスチェンジが米ボストンで開催されました

去る4月4日から7日まで、米ボストンで第五回のASHOKA U EXCHANGEが開催された。
今年は25カ国から700人余りが集まった。今、世界のソーシャル・イノベーションにまつわる最先端の大学教育において、何が起きているかを知りたいならば、ASHOKA U EXCHANGEに参加するのが最善だ。

高等教育(大学、専門学校)の21世紀におけるミッションとは何か?
10年前にこの問いに応えるためにASHOKA内で様々なアイデアが生まれ、議論が交わされ、試行錯誤を繰り返し、最終的に生き残ったのが、「社会刷新に携わる将来のリーダーを輩出する」という使命を覚悟を持って遂行する大学の、世界的ネットワークをつくるという構想だった。
この5年間に、ASHOKA Uのネットワークに加わったのは9カ国45大学。そして今回、新たな候補校3校の最終審査パネルがボストンで行われ、この結果次第で新たに3校がネットワークに加わることとなる。

 

候補校になるための最低条件は、 素質と覚悟と資金の3つが備わっていること。3校のうち1校は過去に2回審査に落ちたが、この2年の間にプログラムを改善し、大学内に新たなコミュニケーションシステムを加えて、今回3回目の審査パネルに再挑戦した。私は初めてパネリストとして参加したのだが、2日間における審査を経験して思ったことは、「より良い世界を創り上げる推進力の一部となる若者を育てる」という決意のない大学は、遅かれ早かれふるいにかけられていくことだろうということ。これは時間の問題だろう。
伝統的な学究分野だけを学びの軸としている学校の淘汰は、すでにアメリカで始まっている。従来的な学問だけをカリキュラムとしているある一流大学が、この2、3年で13コースの継続を見合わせたという事実がそれを物語っている。どんな知識がどれだけあるかではなく、変化を察知し、対応し、刷新するという能力を育てる環境があることが、ASHOK Uネットワークの高等教育機関の共通の糸である。



長い人生の中で、これから社会人になるための準備段階である数年間は、若い心と頭に大きな影響を及ぼすかけがえのない時間だ。このかけがえのない35840時間に、単に学究分野を学ぶだけでは充分ではない。そんな新しい時代が始まっている。一定の学問や技術だけを学んでも、社会で居場所を見つけることができない時代が始まっている。この時期は、卒業後80年の人生をいかに生きるかの知恵を刻み込む時間なのだ。
因みに、2019年春は、米サンンディエゴでの第六回の開催が予定されている。

2018年4月7日 ボストンにて  渡邊奈々